大学コンソーシアム八王子学生発表会で4人全員が受賞!!!優秀賞:越地駿人,準優秀賞:中尾根美樹,宗像宏純,山﨑拓実

2021年12月4日,5日に行われた,第13回大学コンソーシアム八王子学生発表会で,越地駿人君が優秀賞を,中尾根美樹さん,宗像宏純君,山﨑拓実君が準優秀賞をそれぞれ受賞しました!2016, 2018, 2019, 2020 と参加する度に誰かしらは必ず受賞をして来ましたが,今回は4人参加して4人全員が受賞するという快挙を成し遂げました!!

各発表者の発表タイトルは以下の通りです.

口頭発表

越地駿人(優秀賞):「太陽光励起レーザーの高効率化に向けた数値計算による花瓶型励起キャビティの形状の最適化」

中尾根美樹(準優秀賞):「レーザー照射条件を温度分布から推定するAIの開発」

ポスター発表

宗像宏純(準優秀賞):「光線追跡を用いた太陽光励起レーザ用CPC型キャビティの形状検討」

山﨑拓実(準優秀賞):「水蒸気雰囲気下におけるSiC/SiC CMCのレーザ加熱試験のための実験環境の設計検討」

越地君は,太陽光励起レーザーの心臓部である太陽光キャビティとして新しく提案した花瓶型のキャビティについて,その形状の最適化の検討を行い,レーザー媒質内での励起光分布をより平滑化する形状を見出しました.また,見出した形状のキャビティを実際に設計・製作し,実験により,以前の形状のキャビティよりも,レーザーのピーク出力と定常出力との落差を小さくすることを実証しました.

中尾根さんは,本研究室で開発している Selective Laser Thermoregulation 法 はレーザーの照射パラメータの自由度が高く,その最適値を見出すのが困難であることを解決するために,実現したい温度分布を与えたらそれを実現するためのレーザーの照射位置と照射パワーを提案するAIの開発に成功しました.中尾根さんは python で AI のプログラムを自作しており,前回発表時よりも照射位置の提案をAIにさせることが可能となってきています.

宗像君は,従来の太陽光励起レーザーではエンドポンプに近い励起方法が主流であったのに対し,大型化等に利点のあるサイドポンプによる新しい励起キャビティの形状検討を行いました.集めた太陽光のキャビティでの反射時の吸収による損失を減らすことを主目的として検討を行い,レーザー媒質への吸収パワーが最大となる形状を見出した結果,キャビティでの反射時の損失を従来と比較して3pt程度低減できることを数値計算により確認しました.

山崎君は,次世代の航空機エンジン材料である SiC/SiC CMC の水蒸気雰囲気下での加熱試験を実現するために,水蒸気やレーザー光線を内部に供給しつつ,温度等が同時計測が可能となるチャンバーの設計検討を行いました.レーザーの入射や水蒸気の供給,外部計測装置との干渉という構造的な制限を回避し,かつ,数値計算により各部位の温度分布を明らかにすることにより,高温の水蒸気中で試験片が1400℃以上に加熱されつつも,周囲の部材は耐熱温度以下に収まる設計を完成させました.

なお,太陽光励起レーザーの研究は,スズキ財団トランスコスモス財団の助成を受けて実施されました.また,レーザー加熱のAIの研究は本学片柳研究所JAXAとの共同研究で,NEDO の「官民による若手研究者発掘支援事業」の助成を受けて実施されました.この場を借りて御礼申し上げます.

また,皆さんの雄姿を載せておきましょう.(聴講された方がいらっしゃるので個人が特定出来ないようにだいぶ解像度は下げていますが.)

また,写真からも分かるように,大学コンソーシアム八王子の皆さまが色々なご準備をして頂いたおかげで対面で開催されました.関係者の皆様にもこの場を借りて御礼申し上げます.

後日賞状をお送りいただいたので,全員で撮った記念写真をアップしておきましょう.

左から,越地駿人(優秀賞),山﨑拓実(準優秀賞),宗像宏純(準優秀賞),中尾根美樹(準優秀賞)