第44回レーザー学会年次大会で楼淏辰,金井秀太,宇井翔太,河原崎祐作が発表し,金井秀太が優秀ポスター発表賞を受賞!!!

2024年1月16日から19日に日本科学未来館東京国際交流会館プラザ平成で開催されたレーザー学会学術講演会第44回年次大会において,学生4名がポスター発表を行いました.発表者氏名とタイトルは以下の通りです.

氏名発表タイトル
楼淏辰太陽光励起レーザのレーザ出力の向上を目指した太陽光キャビティの形状検討
金井秀太Selective Laser Thermoregulation 法における局所的な過加熱についての分析
宇井翔太Selective Laser Themoregulation法における走査パスを提案するAIの開発
河原崎祐作温度補償を目的としたレーザ制御システムの開発

楼さんは,太陽光励起レーザーについての研究発表を行いました.3種類の形状の太陽光キャビティを用意し実験を行い,レーザー出力や効率等を比較しました.レーザー出力は最大で15W級のレーザー出力を得ることに成功しました.これは,1m2級の主集光系を用いた中では,(世界一ではないにせよ)世界と戦える効率と言える結果が得られました.

金井さんは,本研究室で開発したレーザー加熱手法であるSelective Laser Thermoregulation(SLT)法において,動き回るレーザーで加熱された加熱対象の温度分布を1000 fps の高速で計測可能な放射温度計を用いて行いました.レーザー照射部とそれ以外の高温部との温度差や,全体的に形成される温度分布における高温部と低温部との温度差等の計測により,1000℃以上に加熱された系においてレーザー照射部の有無等で50℃程度(すなわち5%程度)しか温度が変わらないことを明らかにしました.この発表により金井さんは「優秀ポスター発表賞」を受賞しました.

宇井さんは,SLT法は動き回るレーザーの照射部を自由に移動させて様々な形状の加熱が出来ることが利点ですが,その一方でその実現には複雑な経路(パス)で塗り潰す必要があり,その複雑なパスを実験や数値計算で最適化するには膨大な試行錯誤が必要なことが欠点です.そこで,AIに試行錯誤をさせるような手法により,最適なパスを提案出来るAIの開発を行いました.その結果,ランダムな塗り潰しの2%程度の手間で同じ温度分布を実現出来るパスを提案出来るAIの開発に成功しました.

河原崎さんは,SLT法で動かすレーザーをどちらにどのくらい動かすかを決定して制御するシステムを開発しました.将来的には計測された加熱対象の温度分布からレーザーの動きを決定する予定ですが,今回はダミーの計測された温度分布の中で最も温度が低い点に常にレーザーを照射するシステムの開発を行いました.その結果,平均で197 mm/s の速度でレーザーを照射出来るシステムの開発に成功しました.

今回は大久保が現地実行委員を仰せつかっており,肉体的にも精神的にも余裕が無く,あまり良い写真が撮れていないのですが,表彰式の金井さんと発表中の学生達の雄姿とをアップしておきましょう.

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