レーザ加熱のAIに関する論文がJLMNに掲載されました!

卒業生の宇井翔太さんが始め,佐野佑太さんが引き継いでいるレーザ加熱の強化学習AIに関する論文が,国際的なレーザ加工に関する論文誌である Journal of Laser Micro / Nanoengineering の Vol.21 No.3 に掲載されます(現時点では同一号に掲載される論文がまだまとまっておらず,Most Recent Papersの状態ですが).論文題目は,“Reinforcement Learning of Laser Scanning Policies for Uniform Transient Thermal Control in the Selective Laser Thermoregulation Method” です.

本研究室で開発しているSLT(Selective Laser Thermoregulation)法は,レーザを高速に走査することで,対象物の温度分布を動的に制御する手法です.これまで人工知能を用いてレーザ出力や照射位置などの照射条件を求める研究を行ってきましたが,レーザを「どのような経路で動かすか」という走査経路そのものの最適化は課題として残っていました.そこで本論文では,レーザスポットをエージェントとして扱い,温度分布を見ながらレーザが次にどこへ移動すべきかを強化学習によって学習させました.特に,ニューラルネットワークを用いたQ-learning(NNQ)を適用することで,時間とともに変化する温度分布に応じたレーザ走査方法を自律的に獲得することを試みています.


数値解析の結果,平均温度400 ℃以上を達成しながら,温度分布の標準偏差を約20 ℃まで抑えることができました.さらに興味深いことに,強化学習によって得られたレーザ走査では,熱が逃げやすい四隅を重点的に加熱するという特徴が現れました.これは人間があらかじめ教え込んだものではなく,AIが学習の過程で自ら見つけた走査方法です.つまり今回の研究では,「温度を均一にするためにはレーザをどのように動かせばよいか」をAI自身に考えさせることができました.今後,実際の温度計測と組み合わせることで,リアルタイムに温度分布を見ながらレーザの動かし方を変える知的なレーザ加熱システムへの発展を目指します.

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